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発達と変化@〜どのように発達し、どのように変わっていくのか〜

 

 

発達は、時間の経過とともにみられる変化です。とはいえ、ヒトに限らずほぼすべての生体はさまざまな変化を示します。では、どのような変化が「発達」で、どのような変化はそうでないのでしょうか。

 

一般に、一定の方向へ向かう持続的な変化を「発達」と考えます。お正月に食べ過ぎて、体重が増えてしまうこともありますよね。でも、そのあと少し自制すればもとの体重に戻ります。このような、上下するような小さな変動は発達と呼ばれません。子どもの体重や身長のように、長いスパンで持続的に変化していくものを発達と呼ぶのです。

 

そのような発達の中では、分化統合が繰り返されています。分化とは、まとまった動きしかできなかったものが別々に動くようになることです。統合は、別々の動きをしていたものが、まとまってひとつの動きをするようになることです。

たとえば、生まれたばかりの赤ちゃんは何かをつまむことができません。ですが、すぐにグーパーはできるようになります。このグーパーのような、手全体で同じ動きをするようになるのが分化です。その後、全体でひとつの動きしかできなかった赤ちゃんの手は、しだいにそれぞれの指でことなった動きができるようになります。そして、別々の動きをする5本の指が、まとまってひとつの動作をこなせるようになると、親指と人差し指だけを動かしてなにかをつまんだり、お箸をつかったりできるようになるのです。これが統合です。

 

発達は、数値化できる対象(体重や身長など)におけるものと、そうでないもの(性格や社会性、知性など)に分けることができます。前者は量的な発達とされ、発達曲線で示されることが多いです。後者は質的な発達です。パーソナリティについてはフロイト性愛説エリクソン漸成説(ざんせいせつ)、認知発達についてはピアジェ発達段階説などがあります。とくにピアジェの発達段階説は、子どもの認知発達に焦点をあて、その質的な変化を総合的に捉えようとしたという意味で心理学にとって重要な理論でしょう。ここでは詳しい解説を省きます(詳しい解説は発達段階説を参照)。

 

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