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古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)

 

私たちの行動は、環境に適応しながら常に変化しています。そうした行動変容の基礎には、条件づけの過程があると考えられています。条件づけは、古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)オペラント条件づけに分類されます。

 

古典的条件づけは、パブロフによって系統的な実験がはじめられました。「パブロフの犬」は有名だと思います。この条件づけは、無条件にある反応(無条件反応)を引き起こす刺激(無条件刺激)が、まったく関連のない刺激(中性刺激)と対提示されていると、その刺激でも反応が起きるようになることを示しています。この条件づけは基本的なものですが、無条件刺激、中性刺激、無条件反応、条件刺激、条件反応と、各刺激と反応の関係が分からなくなりがちです。ので、具体的に理解すべく下の図を見てみましょう。

無条件反応である「よだれの分泌」は、無条件刺激である「えさ」によって引き起こされます。本来、中性刺激である「ベルの音」でよだれはでません。しかし、無条件刺激「えさ」と中性刺激「ベルの音」が何度も同時に示されると、ベルの音は予報的信号となり、次第に「ベルの音が鳴るとえさがもらえる」という学習が成立します。そうなれば、ベルの音でよだれが分泌されるようになるのです。条件づけが成立すると、「中性刺激」は「条件刺激」となり、それによって引き起こされるもともと「無条件反応」だったものは「条件反応」と呼ばれます。

 

また、この条件づけは恐怖といった情動にも影響するようです。メカニズムは古典的条件づけと同様で、無条件刺激が恐怖などの引き金になるもの、無条件反応がそれに対する反応になります。

 

 

レスポンデント条件づけには、消去および般化が起こります。消去とは、条件刺激(たとえばベルの音)だけを繰り返し提示すると、条件反応(たとえばよだれの分泌)が徐々に減少することを指します。「ベルの音」しても「えさ」もらえないや、とあきらめるのでしょうか。しかし、面白いことに、消去をした後に少し休憩をはさむと、また条件反応がある程度は復活するようです。これを、自発的回復と言います。

般化とは、似たようなものにも反応してしまうことを指します。たとえば、ベルの音が条件刺激になっているなら、鈴の音とか、玄関のチャイムとか、似たような音を聞いたときにもよだれが分泌されることでしょう。当たり前ですが、どの程度似ているかも関係してきます。条件刺激から似つかなくなれば似つかなくなるほど、条件反射の反応は弱まるのです。これを、般化勾配と呼んでいます。

 

また、獲得された条件づけを利用して、新たな条件づけを学習させることも可能です。ベルの音が条件刺激になっているのならば、ベルの音と同時にまったく関係のない刺激(たとえば白い四角形)を提示してあげると、徐々に対提示されていた刺激(白い四角形)でもよだれを垂らすようになるのです。これは、二次条件づけと呼ばれています。

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