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技能学習

 

先に見てきた2つの条件づけ(レスポンデント条件づけオペラント条件づけ参照)は、学習の代表的な例です。ですが、他にも学習と呼べるものは存在します。

 

 

そのひとつが、技能学習です。これは、運動技能など、未熟な動きだったものがだんだんと熟練したものへとなっていくことを指します。自転車に乗ったり、楽器を弾いたりすることもこれに含まれます。この技能学習ですが、運動学習知覚運動学習とも呼ばれます。

 

成人の技能学習は、主に3つの段階からなるとされています。まず、課題についての知識を得るところから始まります。どのように身体を動かしたら良いのか、何かを参考にしながら知識を得ることが第一段階です。次に、練習を行うことによって、部分的な動作が一連の連続した動きへのまとめられていき、ミスがだんだんと減っていきます。最後に、より練習を重ねることによって自分の動きに注意する必要がなくなっていきます。これらの3段階は、第一段階から順に認知連合自律の段階であると言えます。

 

連合の段階での練習は、繰り返し行うことが大切です。ただし、やみくもでは大きな効果を期待することはできません。ここで重要になるのが、フィードバックです。このフィードバックには、2つの種類があるとされています。ひとつは、自分の動きがどうであったかを確認するフィードバックです。目標とする動きと、実際の自分の動きを比べることフィードバックは、特に結果の知識と呼ばれます。もうひとつのフィードバックは、内的なフィードバックです。たとえば、私たちが手を動かす際には筋肉から中枢へのフィードバックがあります。つまり、生物学的レベルのフィードバックです。このフィードバックは目に見えませんが、技能学習にとっては大きな役割を担っているとされています。

 

 

さて、私たちが何かを習得しようとするとき、用いる方略は主に2つに分かれるかと思います。短期集中型か、長期分散型です。これまでの研究によれば、長期にわたって少しずつ練習を重ね分散練習の方が上達は早いようです。

また、似通った運動はすぐにうまくなるということも知られています。たとえば、スケートができるとスキーの上達が早かったり。逆に、ある学習をしていたせいで他の学習が遅れる場合もあります。このような、ある学習を行うと、ほかの学習が促進されたり遅らされたりすることを、転移と言います。促進の場合は正の転移、遅滞の場合は負の転移と呼び方をわける場合もあります。一般的に、運動技能における負の転移は少ないようです。特別な場合として、右手で学習したものが左手へ、ないしは左足で学習したものが右足へと、一方の手足で学習したものが反対側の手足に転移することがあります。これは、両側性転移と呼ばれています。
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